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ディープ神戸

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神戸について掘り下げた投稿をまとめています。あなたの知らないKOBEが見つかるかも
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記事一覧

放送中の連ドラでも存在感 神戸が誇る「廃虚の女王」

こんにちは、ぶらっくまです。突然ですが、皆さんは地上波テレビの連ドラ(連続ドラマ)を見ていますか。今秋のクールで、神戸が舞台のドラマが放送されているのをご存じでしょうか。ABCテレビ系/テレビ朝日系の「たとえあなたを忘れても」(10月22日スタート、日曜午後10時)です。 見慣れた光景が画面に映ると、何だかうれしくなりますよね。ドラマはまだ第3話が放送されたところなのですが、印象的なシーンで何度か使われている、一風変わった場所があります。神戸の街と海を見下ろす摩耶山の中腹に

ここは異国⁉ 神戸を歩いて巡る世界の宗教施設

神戸といえば「港町」とともに「異国情緒」というイメージで語られることがよくあります。 その始まりは19世紀半ば、横浜、長崎、函館、新潟と並び、神戸が日本で最初の開港地に選ばれたことにあります。以来、異国から多くの人々が移り住みました。ただ、神戸が他の開港地と違った点として、広大な「雑居地」の存在が挙げられます。 区画を整然と分けた外国人専用の「居留地」の整備が神戸では遅れ、外国人と日本人が隣り合わせで暮らす「雑居地」が周辺に設けられました。異人館で知られる北野エリアや、中

ブレイク間近? 湊川隧道

 隧道(ずいどう)。簡単に言えば「トンネル」です。私ことド・ローカルが住む神戸で誇れるレガシーの1つに、日本最古の河川トンネル「湊川隧道」があります。新聞の取材では何度も取り上げたことはあるのですが、この素晴らしさをnoteのフォロワーさんにも伝えたいと思い、今回のテーマにしました。  映画上映やコンサート、純米酒の貯蔵場所としても利用されているほか、昨今ではカレーやTシャツ、手ぬぐい、ノートなども登場。ブレイク間近の様相なんです。その活動を支えるのが地元住民らでつくる「湊川

記者を魅了する二つのメロンパン

定期的に紙面に登場する話題があります。メロンパンです。ふっくらとしてサクサク、表面には網目が入って…ではないメロンパンが神戸にはあります。神戸市外出身の記者が必ずといっていいほど引かれます。そんな二つのメロンパンについて播州人3号が紹介します。 「メロンパン」であって「メロンパン」ではないところが話を複雑にしています。 街中の疑問に記者が挑む「まちある調査団」というコーナーで取り上げられていました。 メロンパンは〝通称〟神戸では… サンライズ 由緒正しき名 考案の老舗 

ターミナル、出会いと別れの交差点

「ターミナル駅」と聞けば、出発を待つ長距離列車なんかが登場する映画の1シーンを思い浮かべます。そもそも「ターミナル」ってどういう意味でしょう。再開発の進む神戸・三宮を歩きながらふと疑問が浮かびました。播州人3号が神戸のターミナルを探します。 ターミナル駅、ターミナルビル、ターミナルホテル…。ミナトを通じて外に開かれた都市だからでしょうか、神戸には「ターミナル」の付く施設が多数あります。 「終点」「末端」の意味を持つ「terminal(ターミナル)」が語源で、鉄道などの終点

歴史と風格漂う兵庫のゴルフ場

 サッカー、ジャズ、豚まん―。神戸港開港以来、「日本初」とされる多くのものが神戸から国内に広がりました。ゴルフもその一つ、英国人貿易商グルームによって、1903(明治36)年に六甲山に設立された「神戸ゴルフ倶楽部」が最初とされています。1932(昭和7)年に改築されたクラブハウスは建築家ヴォーリズの設計。瀟洒(しょうしゃ)な、れんが色の建物が緑に映え、昔、外国人が愛した「クラブライフ」が、そこかしこに息づいています。  こんにちはド・ローカルです。私も熱狂的なゴルファーです。

パンの街・神戸の「職人伝説」

 10歳の時に初めて神戸の親戚宅を訪れました。朝目覚めるとパンの香ばしい匂いが鼻をかすめました。「都会の朝だ」。そう感じたのを今も忘れません。長年、神戸に暮らしていると日頃はパン店の多さをあまり意識しませんが、総務省調査などによると、平均消費量、支出額ともに日本一を記録する街であることは確かです。さらに、日本最古のベーカーリーの開業の地でもあります。  「パン派? ご飯派?」と聞かれると、「ご飯派」と答えてしまう私ことド・ローカルですが、パンも大好きです。そんな神戸には数多く

えっ! 神戸にダチョウ牧場

 こんにちはド・ローカルです。突然ですが、ここでクイズを1問。  「世界最大の単細胞って何でしょうか?」  正解は「ダチョウの卵」です。神戸市西区の農村部・神出町ではダチョウの卵から作った抗体を使い、画期的な抗菌作用を持つ商品が続々と誕生しています。薬局で買えるマスクから米陸軍の対テロリスト用ワクチンまで。日本での生産拠点は約45羽を飼育する西区のこの施設「ダチョウ牧場」のみといわれます。  開発のきっかけは、獣医師で京都府立大学(京都市左京区)の塚本康浩教授(現・学長)の「

神戸とプレスリー

伝記映画が上映され、再び注目されているエルビス・プレスリー(1935~77年)です。「キング・オブ・ロックンロール」と呼ばれ、長く伸ばしたもみあげや白いジャンプスーツで歌う映像が有名です。世界に3体しかない米国の財団公認の銅像の一つが神戸にあり、その経緯などを播州人3号が紹介します。 銅像は神戸新聞本社ビルのすぐそばに立ちます。 2009年に東京から移されました。 プレスリー像、神戸に 来月ハーバーランドに設置 「新たな聖地」と期待東京の銅像設置には元首相の小泉純一郎さん

老舗の宝庫 長田神社界隈

 客が老舗をつくるのでしょうか? それとも客を育てるのが老舗なのでしょうか?   神戸の街の商店街を見渡すと、ひときわ目立つ商店街があります。長田神社前商店街。2018年の調査ですが、その7割が創業50年を超える老舗が占めます。100年を超える店舗もなんと5軒を数えます。  神社に集う参拝客が多いというのもロングセラーの要因ではあるようですが、それだけではないようです。ド・ローカルが長寿経営の秘訣を探ります。 老舗番付横綱は創業140年以上の「ういろや」 ちなみに商店街には

和田岬線ブルース㊦

 こんにちはド・ローカルです。前回に引き続き、神戸市兵庫区の和田岬線の徹底研究を始めます。  和田岬線沿線の地図をよく見ると、兵庫駅から出た線路の一部が50メートルほど進んだ後、「川崎重工業兵庫工場」(兵庫区和田山通2)の中に分岐しています。阪神甲子園球場5~6個分(約22万平方メートル)の広大な敷地内=写真㊤=では、同線から延びる専用線=写真㊦=がいくつにも分かれ、新車両がデビューを待ちます。納車の際、機関車にけん引されて和田岬線を進んだ後、山陽本線を使って全国へ輸送されま

和田岬線ブルース㊤

 JR兵庫―和田岬間を結ぶ、わずか2・7キロの和田岬線。車両のレトロさや、たどってきた歴史、さらには、沿線にある川崎重工業兵庫工場(神戸市兵庫区和田山通2)で生産される新車両のデビュー路線として、全国の「乗り鉄」「撮り鉄」たちの心を捉えてやみません。ド・ローカルが2回に分け、その魅力を徹底研究します。 唯一のスカイブルー103系 今も現役 JR西日本などによると、和田岬線に使用されている車両「103系」は、旧国鉄時代に製造されたものです。最盛期には、都市部を中心に全国で3千

ジャズの似合う街、KOBE

神戸とジャズの関係は古く、日本のジャズ発祥の地とされています。街中でジャズの演奏と出合う機会も少なくありません。そんなジャズの流れる街、神戸を播州人3号が紹介します。 1923(大正12)年4月、神戸市内のホテルでプロバンドのジャズが国内で初めて演奏され、その後、ジャズはミナト神戸の文化として根付きました。 4月4日は「神戸ジャズの日」です。こんな意味が込められています。 「4ビート」に合わせ 4月4日は「神戸ジャズの日」 推進協制定 発祥の地アピールジャズの生演奏が聴け

門出の季節に、迫力満点の船の旅立ちを集めました

春は旅立ちの季節です。何かふさわしい記事がないかと探していたところ、進水式が目にとまりました。大海原への門出を、盛大で、迫力ある写真とともに播州人3号がお伝えします。 紙面には潜水艦の進水式がたびたび登場します。 それには理由があります。 潜水艦の建造を神戸が一手に引き受けるからです。 川重、神戸で建造 潜水艦「とうりゅう」進水 海自、21年に配備名前は兵庫県内の名勝にちなんで付けられています。 記事にある通り、潜水艦は川崎重工業神戸工場と三菱重工業神戸造船所が建造し、交