
人工呼吸器をつけ 全国で初めて普通学校を卒業した歩さん 制度の壁こじ開けた35年(3)
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■自立に向かって
人工呼吸器を装着し、当時前例がなかった在宅生活を4歳で始めた平本歩さん。2011年初春、ついに1人暮らしを決意します。
神戸新聞記者 久保田麻依子
◆1人暮らし 部屋の愛称は「とんちん館」
25歳になった歩さんは2011年春、1人暮らしへの決意を固める。人工呼吸器を付けた同年代の友人2人が、大阪・箕面市で共同生活に挑戦していることに刺激を受けた。そして何にも増して、亡くなった父の弘冨美さんがくれた「自立に向かって邁進せよ」との遺言に突き動かされ、ずっと目標にしてきたことだった。
折しも前年から兵庫県尼崎市に申請が認められ、ヘルパー2人態勢で24時間の介助が得られるようになった。家族の他に信頼できる仲間の輪も広がった。幼い頃から世話をしてくれる15歳上のヘルパー立花真理さんらに相談し、自立生活への挑戦に動き出した。
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