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火の鳥や日本三鳴鳥、行行子…。新緑に映える美しい鳥たち

先日、街路樹の緑をまとめて投稿しましたが、木々の種類だけでなく、枝を飛び巡る小鳥たちも気になっています。ただ、動きが早すぎて「小さな」とか「青っぽい」とかまでしか見分けがつきません。10日から始まる愛鳥週間(16日まで)を前に、この季節に見られる鳥たちを播州人3号が紹介します。

オオルリ 恋の美声
神戸・再度山

 美しいさえずりを響かせることで知られる「オオルリ」が、六甲山系の再度山(神戸市中央区)に飛来している。全身を彩る鮮やかなコバルトブルーが新緑に映え、ハイカーたちの目も耳も楽しませている。
 ヒタキ科で体長約16センチ。4~5月に東南アジアから日本に渡り、繁殖する夏鳥。きれいな鳴き声でウグイスやコマドリとともに「日本三鳴鳥さんめいちょう」に挙げられる。
 「ピールリリー」「ピィピィピィ」。飛来したてのこの時期、雄は繁殖へ向けて、なわばりの主張と求愛のために盛んに鳴く。再度山周辺の林道では、高い木の枝で澄んだ声を響かせたり、小さな虫をついばんだりするオオルリの姿を見ることができる。

(2022年4月29日付朝刊より)

写真はオスで、メスは茶褐色の地味な色のようです。
こちらも色鮮やかな夏鳥です。

キビタキ涼やか 明石

 さえずりが美しく色鮮やな夏鳥「キビタキ」が兵庫県内に飛来し、野鳥観察の愛好家を楽しませている。
 キビタキは体長約15センチ。雄は胸や顔の一部が黄色やオレンジ色の羽で覆われる。東南アジアで冬を越すと、繁殖のため日本に渡り、山などで過ごす。身近な公園で羽を休めることもあり、バードウオッチングの対象として人気が高い。
 明石市の金ケ崎公園では、4月中旬から雑木林のこずえで「ピピッピ フィフィ」と甲高い声を響かせる。日本野鳥の会ひょうごの代表は「声も姿もきれいな鳥の代表格。新緑の中でさえずりを聞けばきっと癒やされる」と話している。

(2014年5月10日夕刊より)

アカショウビン
火の鳥 ひっそり飛来
丹波篠山

 全身が赤いことから「火の鳥」の異名を持ち、愛鳥家に人気の渡り鳥「アカショウビン」が、ささやまの森公園(丹波篠山市)に飛来している。薄暗い木立の奥で時折、ひときわ目立つ姿が見え隠れしている。
 カワセミ科で、体長は30センチ弱。九州以南や東南アジアに生息し、夏に本州全域で繁殖する。奥深い広葉樹林帯でサワガニやカエル、水生昆虫などを餌にする。近年は生息域が縮小傾向で、兵庫県内でも目撃例は少なく、県レッドデータブックでは「絶滅の危険が増大している」Bランクに指定されている。
 同公園によると、公園一帯の森には、20年近く飛来し続けている。「キョロロロ…」という鳴き声も特徴的だが、日本で過ごす7月ごろの繁殖期にはほとんど鳴かない。8月上旬ごろに南方へと渡っていくという。

(2020年7月16日付朝刊より)

夏鳥ではありませんが、この季節巣作りする様子が見られるようです。

神戸・須磨コゲラ巣作り
森の音楽会

 キツツキの仲間コゲラが、神戸市須磨区の山林で巣作りに励んでいる。サクラの木の幹に向かい、鋭いくちばしを前後に動かしながら「コンコン」と乾いた音色を響かせている。
 体長約15センチ。日本各地の主に低い山などに生息し、年間を通じて移動しない「留鳥(りゅうちょう)」。初夏の日差しの下、くちばしを小刻みに動かすたび、木くずが舞う。開いた穴は現在、直径2センチほどで、さらに懸命に奥へと堀り進めている。
 営巣の光景を初めて見たという40代の女性ハイカーは「あんな小さなくちばしで大きな音を響かせるなんて驚きました。何より、心地よい音色ですね」と話していた。

(2017年5月15日夕刊より)

河口でも夏鳥の姿が目に付きます。

河原に初夏告げて
オオヨシキリにぎやか

 ギョギョシ、ギョギョシ、ケケケ…。西播磨の河川敷などで、ヨシ原に響き渡るけたたましいさえずり。声の主は夏鳥のオオヨシキリの雄だ。繁殖期を迎え、縄張りを主張して、ユニークな節回しの鳴き声を張り上げている。
 スズメ目ウグイス科で全長約18センチ。東南アジアなどから飛来し、ヨシの茎におわん状の巣をつくる。河川改修などでヨシ原が減り、繁殖適地が限られることから、兵庫県はレッドデータブックBランクに挙げている。
 辺りを見渡すヨシの穂や茎の上部につかまり、口を大きく開いてさえずると、口内のオレンジ色が鮮やか。鳴き声に由来する別名「行行子」は夏の季語でもある。西播愛鳥会の会長は「4月半ばから鳴き始めた。にぎやかな河原は初夏の風物詩ですね」と話していた。

(2009年5月28日付朝刊より)

ツバメも夏鳥とご存じですか。

日没を迎え、一斉にねぐらに入るツバメの若鳥=加古川河口(2018年7月)
電線で羽を休めつつ、親鳥から口移しで餌をもらおうとするツバメ=三田市内(2020年5月)

気になる記事を見つけました。環境省の鳥類の分布調査で、ツバメの個体数が大きく減ったという内容です。「このままのペースで減少し続けると、将来的には絶滅危惧種に指定するなど対策の可能性が出てくる」というコメントに驚きます。

住宅街の大木に目を凝らせば、こんな鳥に出合えるかもしれません。

アオバズクすくすく
神戸の住宅地 ひな2羽、木の枝に

 神戸市兵庫区都由乃つゆの町の住宅地にある高さ約20メートルのエノキの樹上で、希少な夏鳥「アオバズク」のひながすくすくと育っている。白い羽毛をつけた2羽が親のそばで並ぶ姿が住民らの笑顔を誘っている。
 アオバズクはフクロウ科で体長は30センチほど。夏鳥として九州以北に渡り、平地や神社の林に生息する。兵庫県版レッドデータブックでは絶滅の危機が増しているBランクに指定される。
 親子が身を置くエノキは神戸の「市民の木」に選ばれ、樹齢は300年を数えるといわれる。地元住民によると、昔から初夏にアオバズクが飛来しているといい、今年は7月下旬にひなが確認された。
 日中は枝で休むが、時折足で体をかいたり、通行人をまん丸な目で見つめたりする。近くに住む男性(86)は「見ていて飽きないし癒やされる。来年も元気なひなに会いたいね」と話していた。

(2017年8月2日付朝刊より)

<播州人3号>
1997年入社。先日、六甲山でキジのつがいを見かけました。色鮮やかなオスがすぐそばを悠々と歩き、「ケーン、ケーン」という鳴き声も初めて聞きました。その話を同僚にすると「桃太郎の?」と「『雉も鳴かずば―』の?」と反応が二つに分かれました。キジと聞いて、みなさんはどちらを思い浮かべますか。

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