それが起こりうるのは…。紙面に登場する「確率」
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症やコロナワクチンについては、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
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それが起こりうるのは…。紙面に登場する「確率」

神戸新聞公式「うっとこ兵庫」

新聞によく登場する「確率」です。「あることの起こりうる度合い」という意味ですが、数字で示されると何となく納得しませんか。そんな確率の出てくる記事を播州人3号が紹介します。

「確率」がよく登場するのは宝くじの高額当選の記事です。
米国の話ですが、「3億250万分の1」の確率というものもありました。
その時の賞金は日本円で約1730億円。
それほど珍しい幸運を手にしたというニュースなのでしょうが、強調されればされるだけ当たる気がしなくなってしまいます。

災害の記事で扱われることもあります。
「必ずやってくる」と警戒を促す意味も込められます。

津波 慌てず身を守れ
兵庫県内一斉訓練

 「世界津波の日」の5日に合わせ、一斉避難訓練が兵庫県内の18市町であった。30年以内の発生確率が70~80%と見込まれる南海トラフ巨大地震を想定し、学校や社会福祉法人、企業など約300施設、約10万人がもしもの時に備えた。
 訓練は午前10時、震度7の南海トラフ巨大地震と、震度6強の日本海沿岸地域地震が発生。太平洋側に8・1メートル、日本海側に5・3メートルの津波が押し寄せたと想定した。
 1~2メートルの浸水が想定される神戸市中央区のこども園では、園児ら約200人が頭を守る頭巾をかぶって園庭に集合。8階建ての建物がある市立高校まで、約200メートルの道のりを警察官らの誘導を受けながら急いで避難した。
 園長(33)は避難後、「子どもたちは先生の話を聞いてスムーズに行動してくれた。訓練を重ねていざという時にも避難できるようにしたい」と振り返った。
 訓練では、0・3~1メートルの浸水が想定されている洲本市の障害者施設でも利用者や職員が近くの体育館に避難した。

(2021年11月5日付夕刊より)

ただ、起こりうる度合いを示すことで、かえって伝わりにくくなることもあります。
読者の疑問を調べるコーナーに寄せられた問いです。

「千年に1度」の大雨って
1年間に確率0.1%で発生

 「3日付三田版に掲載された『最大規模の水害想定 三田署が図上訓練』の記事を読みました。その中で、県が想定する『千年に1度クラス』の大雨という表現がありましたが、違和感を抱きました。『千年ごとに1度』という繰り返しなのか、それとも『千年に1度は起きている』という割合を検証したのでしょうか。教えてください」(神戸市 男性)

取材結果はこうでした。

 県土整備部土木局総合治水課に聞きました。
 「千年に1度」という表現は、千年ごとに1回発生するという意味ではなく、過去に観測された最大の降雨量を基に算出した結果、1年間に発生する確率が0.1%(千分の1)ということです。
 県の想定最大規模降雨は国の「洪水浸水想定区域図作成マニュアル」を基に算出しています。兵庫県だけでなく、近畿、山陰、瀬戸内という3地域の河川データも参考にしています。例えば武庫川で見ると、その地の最大雨量だけでなく、ほかの地域の最大雨量も加味するということです。
 発生頻度は低いけれど規模の大きな降雨の確率について、よく使うたとえにサイコロがあります。サイコロを6回振って「1」の目が複数回出ることがあるように、「千年に1度の大雨」も複数回発生する可能性があり、毎年のように連続して降ることもあり得ます。

(2020年9月27日付朝刊より)

天気予報でも「降水確率」などが使われます。
1面コラム「正平調」に降水確率と巨大地震の起こる確率について取り上げられていました。

例えば、きょうの降水確率を70%としよう。空もどんよりとしている。出掛ける人は、まず傘を持つだろう◆天気予報と単純に比べられないが、70%と聞けば、やはり心穏やかでない。南海トラフの巨大地震が30年以内に起こる確率である。きょうかあすか分からない、今にも泣きだしそうな空の下にいるのと同じ。そう考えていい。さあ、傘はあるか◆ちょうど70年前のことだ。1946年12月21日、昭和南海地震は起きた。規模は小さかったともいわれるが、全国の死者は1330人に上る。兵庫県でも淡路島を中心に被害があり、50人が死んだ◆この大地震の恐ろしさは、周期的に必ず起こることにある。次は、東日本大震災級かもしれない。予想では、兵庫だけで最悪2万9100人が死ぬ。大半は津波によるが、震度7の地域もあるというから揺れもすさまじい◆70年前、たまたまいた徳島で地震に遭った、と俳優の森繁久弥さんが自伝に書く。知人の妻が財布を取りに家に戻り、津波にさらわれた。無残な姿で見つかった彼女の着物の帯から、財布が落ちてきたという。「私はなぐさめの言葉もなく彼と一緒に泣いた」とある◆予期せぬ恐怖に森繁さんは腰が抜け、人に担がれ山へ逃げたそうだ。過去に学び、防災の傘をいつも持っておきたい。家庭で、ご近所で。

(2016年12月21日付朝刊より)

科学分野の記事にも確率がよく出てきます。
数字があれば、実験結果もかなりの説得力を持ちます。

こちらは新型コロナウイルスでマスクを着けた場合とそうでない場合の影響です。

新型コロナ
距離50センチ、マスクなし15分会話
感染100% オミクロン株
スパコン「富岳」推計

 理化学研究所(理研)などは2日、神戸・ポートアイランドのスーパーコンピューター「富岳ふがく」を使い、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染リスクについて研究結果を発表した。感染者がマスクなしで15分話すと、50センチの距離で対面した人はほぼ100%感染すると推計。マスク着用時も50センチ以内に近づくとリスクが生じ、人同士の距離をとる重要性を示した。
 理研計算科学研究センターのチームリーダー、坪倉誠・神戸大教授らの研究。発声時の飛沫ひまつをシミュレーションすると、マスク着用の場合、着けないときと比べて飛散量を3分の1程度に抑え、飛散距離も抑えられることが判明した。
 さらに、過去に海外で発生した五つのクラスター(感染者集団)のデータを基に感染確率を推定した。オミクロン株は、デルタ株の1・5倍の感染力として計算。感染者がマスクなしで15分話した場合、50センチの距離で対面すると、感染確率はほぼ100%に上った。1メートル離れると約60%、2メートルだと約25%まで下がった。
 接触時間も長くなるほどリスクは高まった。感染者がマスクなし、距離1メートルで30分話すと、80%以上に。1時間でほぼ100%。全体的にデルタ株と比べて確率は10ポイント前後高かった。
 一方、感染者が15分の会話時にマスクを着けていても、距離が25センチと近いと感染確率は約10%あり、1メートル以上離れることで0%になった。距離が50センチの場合、対面が1時間に延びても、10%程度まで上がった。
 学校での感染拡大について坪倉教授は「リスクが高いのは、授業より休み時間の(近距離での)会話ではないか」と指摘。「マスク着用で安心するのは危険。距離や接触時間にも気を付けて」と呼び掛けた。
 このほか、飲食店でパーティションや換気扇などを使って感染対策をすることで、リスクを3分の1程度まで下げることも示した。

(2022年2月2日付朝刊より)

朝のテレビ番組で流される星座占い。
出勤前にきょうの運勢を気にかける人も多いのではないでしょうか。
星座によって何らかの傾向があるのか。「確率」を組み合わせながら、記者が調べてみました。

朝の星占い バランス重視?
民放3番組 3カ月調査
一喜一憂しても…どの星座も平均6位台

 朝のテレビ番組の定番コーナー、星座占い。つい気になり、身支度の手を止めて自分の運勢を確認してしまう―。そんな人も多いだろうが、日々のランキングに何らかの傾向はあるのだろうか。民放3番組の占い結果を3カ月にわたって記録し、統計データとして分析してみた。
 民放テレビ局で放送されている平日朝の情報番組のうち、十二星座占いがあるA、B、Cの3番組を対象とした。土曜日も当日の占いがあるAについてはその結果も含め、6月1日~8月31日、3番組分の1位から12位までのランキングを、放送や番組サイトでひたすら確認し続けた。
 1カ月単位で平均順位が最も高かった星座は、6月の番組Cのおうし座で、5・0位。最低は6月の番組Bで、7・6のみずがめ座だった。3番組の3カ月分を集計すると、全ての星座が、平均値6・5のプラスマイナス0・3以内に収束しており、長期的、複合的にみれば平準化していくようだ。
 だが、そもそも論として、同じ十二星座占いなのに、なぜ番組によって結果が異なるのか。過去に占いの情報をテレビ番組に提供していたことがあるという「ルネ・ヴァン・ダール研究所」(東京)は「占い師によって判断基準が異なるため」と説明する。
 担当者によると、天球を十二星座に分け、実際の星の位置や動きを基に運勢を導くという原則はあるという。ただ、月の動きや満ち欠け、惑星同士の角度など、さまざまな要素の取捨選択は占い師に委ねられ、結果として順位付けに違いが出てくるそうだ。
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 3カ月分のデータを分析していくと、違和感を抱くような傾向も見えてきた。
 例えば、連続性だ。月曜日、ある番組のおうし座が5位だったとして、翌日の火曜日も5位になる確率は単純計算で12分の1となる。3番組を合わせれば、2日続けて同順位になる星座が週内にいくつかあってもよさそうなものだが、同一週内で順位が続くのは3カ月間で7回しかなかった。番組Aのてんびん座は一回も11位がないなど、特異な例も見受けられた。
 そこで、統計界最高の栄誉とされる「大内賞」を昨年度に受けた兵庫県立大特任教授の芦谷恒憲さんに結果を見てもらった。数値のばらつきや平均を調べ、分布を確認するという統計学の常道で分析すると、多少の偏りはあるものの、他のデータとの差が極端に大きい「外れ値」は明確には認められなかったという。
 芦谷さんが解説する。「統計学的にみれば、偏りを小さくする条件設定をしながら順位を決めているようにみえる。ただ、何らかの作為をうかがわせる外れ値もなく、3カ月間で平均値に収束する傾向からみても、基本的にはランダムなデータだと考えられる」

(2021年9月13日夕刊より)

なんとなく予想はできましたが、専門家にも尋ねながらの結果に納得します。

取材時期が東京五輪と重なったため、筆者は決勝当日の選手の運勢と実際の結果を照らし合わせました。

▼金メダリスト、決勝の日
 運勢はおとめ座の川井友、3番組とも最悪

 民放3番組の星座占い分析は、6~8月の調査期間が東京五輪の会期と重なっていた。そこで気になったのが、金メダリストの運勢だ。実力はもちろん、運も兼ね備えていたのか、決勝当日の占いランキングを調べてみたところ…。
 個人競技の金メダリストのうち、番組が放送されている日に獲得した延べ19人を対象とした。月―金曜は、A、B、C3番組の順位の平均値を出し、土曜は、唯一放送がある番組Aの結果で判断した。 
 特徴的だったのが、女子レスリング62キロ級の川井友香子選手。頂点に立った8月4日は、3カ月間で唯一、3番組の12位が同じ星座でそろった日で、それが川井選手のおとめ座だった。最悪の運勢を、実力ではねのけて金メダルを獲得したことになる。
 これに対し、男子柔道73キロ級に出場したみずがめ座の大野将平選手は、世界を制した7月26日、3番組ともみずがめ座が1位。リオデジャネイロ五輪に続く連覇は、幸運の女神にも見守られていたようだ。
 神戸市出身の柔道、阿部一二三ひふみ選手、うた選手の兄妹は、日曜日の試合だったため残念ながら対象にならなかった。
 全体的にはばらつきが目立ち、2個の金メダルを得た男子体操、橋本大輝選手のそれぞれの日の占い順位は、8.0と4.3。19人の順位を集計すると、平均値6.5をわずかに上回る6.2となり、「金メダリストは運もいい」とは断定しがたい結果が出た。

占い通りにはなっていないことが分かります。
とはいえ「グッド」とか「バッド」などとテレビから流れてくれば気になる人も多いでしょう。

過去には、六つ葉のクローバーや一家3世代が同じ誕生日を紹介する記事にも確率が使われていました。

<播州人3号>
1997年入社。テレビの星座占いはあまり気になりませんが、運勢とともに薦められるアイテムに注目してしまいます。「古い教科書」や「限定モデルのスニーカー」など、だれもが持っているわけではなく、かといって絶対に手に入らないものでもないところがミソではないかと思っています。

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