「需要と供給」のバランスなんでしょうか、注文してもすぐには届かない品があります。オーダーメードの一点物だったり、職人の技が光る工芸品だったり。いくら並んでも買うことはできず、ひたすら待つのみです。長い場合は手にするまでにどれぐらいかかるのか。播州人3号が集めてみました。最後の話題には仰天するはずです。
まずは伝統の淡路瓦とコラボした楽器です。
注文から発送まで約10カ月とあります。
淡路瓦でオカリナ いい音色
南あわじ・友地裕さん
軽くて丈夫、10カ月待ちの人気
見た目も渋く、心地よい音色が響きそうですね。
ちょっと本筋からそれますが、記事にある住所の「倭文」をどう読みましたか。正しく読めたとしたらかなりの淡路通です。もちろん「わぶん」ではありません。
兵庫県内の難読地名を扱ったこちらの投稿もぜひご覧ください。
続いては納品まで約1年の文具です。
父親世代からは子ども時代の必需アイテムだったと聞きますが、手にした子どもを見掛けることはありません。それなのになぜ?
購入者を知れば、納得します。
肥後守(三木市) 永尾かね駒製作所
携帯ナイフ 納品1年待ち
日本の伝統の技に引かれる海外の人が多いということですね。
アウトドア人気もあって、注文はさらに増えているでしょう。
次も納品に1年程度かかるようです。
「ファイブ、フォー、スリー、ツー…」
あの特撮人形劇の精巧なレプリカを手掛ける作家が神戸にいます。
超精巧「サンダーバード」
〝公式〟造形作家、神戸の坂本さん
登場人物を制作、1体30万円
これほど精巧に再現されるなら納品まで1年かかると聞いても驚きません。
極めつけはこちらです。手にするまでに27年。
しかも、ものはコロッケです。
食べ盛りの小学生の子どものために奮発して注文しても、届くのはその子が中年になったころです。
背景を記者が調べました。
27年待ち 幻のコロッケ
高砂の精肉店1個540円でも注文殺到
厳選イモに、最高級神戸ビーフがゴロゴロ
感動呼ぶ「食べたことがない味」
「売れば売るほど赤字」にもかかわらず、時間をかけて予約に応える。神戸ビーフコロッケに対する店主の思い入れが記事にはにじみます。
とはいえ27年です。「幻」という表現は誇張ではないでしょう。
念のために触れておきますが、今回取り上げた商品はいずれも紙面掲載時の「待ち期間」です。魅力ある品ばかりなので、期間はさらに伸びているかもしれません。
<播州人3号>
1997年入社。取り上げた記事では作り手だけでなく、楽しみにして待つ購入者側の情熱も感じられます。何時間並んででもうまいものを食べたいという食通の心理と同じでしょうか。行列のできるA店よりも、味が落ちてもすいているB店を選ぶせっかちな性格なので、その境地にはなかなか達せられません。
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