年末年始は除夜の鐘や初詣などで神社や寺院を訪れる機会も多かったのではないでしょうか。お参りの際、注意してご覧になられましたか。鐘や鳥居ではありません。狛犬です。知っているけど、しっかり見ることは滅多にない―。そんな狛犬たちの物語を、播州人3号が紹介します。
6434人が亡くなり、3人が行方不明となった阪神・淡路大震災は17日で丸27年を迎えます。
激しい揺れが街に甚大な被害を及ぼしました。
倒壊したのはビルや住宅だけではありません。
狛犬たちも巻き込まれました。
震災から20年以上も行方知れずになっていた狛犬の話です。
西宮神社
21年 被災狛犬「語り部」に
昨年、境内地中から発見
顔や胴欠落、直さず設置
狛犬が台座から落下し、がれきに埋もれ何年も行方不明になる―。
地震の揺れの大きさと、その後の混乱ぶりがうかがえます。
狛犬は「高麗犬」とも書き、朝鮮半島から伝わったとされています。もとは魔よけでしたが、平安時代から神社の神様を守護する存在とされるようになったようです。正式には口を開ける阿形が獅子、口を閉じ頭上に角をもつ吽形が狛犬とよばれる、と過去記事にありました。材質もさまざまで、木造、石造、瓦質、陶製などがあるようです。
守護獣は通常、獅子の姿をしてますが、淡路島には、それ以外もあります。
獅子ならぬイノシシ 洲本
狛犬に願を掛ける不思議な民間信仰をご存じでしょうか。
願う際に借りるのが狛犬の足です。
包帯にしては雑な巻き方に見え、衣装にしては中途半端な布きれ―。
不思議に思った記者が調べます。
紙面に掲載された願掛け、まじないをまとめた投稿はこちら
こま犬足元に謎の布!?
「家出足止め」「不幸止め」託す
民間信仰、神社戸惑いも
大切な人を「足止め」するため狛犬の足を借りるのですね。
江戸時代に始まったといい、関西に多い風習とは知りませんでした。
皆さんも近所の狛犬を見る際は顔つきだけでなく、足元にも注意してみてください。意外に布が見つかるかもしれません。
それが結構あるんです。
播州人3号が何度も出合っています。
小さな神社の狛犬の足に巻かれた赤い布を見つけてびっくりしたことがあります。
それにはこんな経験がありました。
<播州人3号>
1997年入社。「狛犬と布」の話は、そう遠くない親類の話として聞いたことがあります。40年ほど前のことです。「なんべん参っても帰ってこおへんから、何重にも(狛犬の足に)巻いたった」と高齢の女性が法事でにくらしげに若い頃の話をしていました(「帰ってこおへんかった人」は隅の方でたばこを吹かしていましたが…)。その場にいた人たちが大笑いするほど、知られた願掛けだったんですね。そんな経験からか、神社に参ると、狛犬の足元に必ず目が向いてしまうのです。
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