「掲載なし」はあの単語。今年の「流行語」を紙面で追ってみました
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「掲載なし」はあの単語。今年の「流行語」を紙面で追ってみました

神戸新聞公式「うっとこ兵庫」

話題になった言葉に贈られる「2021ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞は、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手をたたえる「リアル二刀流/ショータイム」でした。ほかにも今年を象徴するような流行語がノミネートされました。播州人3号が候補となった30語を紙面で追ってみました。

大谷選手を直接取材することはありませんでしたが、1面コラム「正平調」で「ショータイム」が取り上げられていました。

 1947年、米大リーグのドジャースに一人の黒人選手が加わった。反発する白人選手に監督は言う。「肌の色が黄色でも黒でも構わん。シマウマ柄でも」、これからは能力勝負だと◆黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソンが主役の映画「42 世界を変えた男」である。肌が何色であれ、最高の舞台で野球がしたい―背番号「42」が切り開いた地平には今、多くの日本選手も立っている◆映画風にいうなら、背番号「17」も恐らくは〝大リーグを変えた男〟となるのだろう。ベーブ・ルース以来の本格二刀流として今シーズンは投げて9勝、打って46本塁打、走って26盗塁。異次元の数字を残した◆やってくれましたね。エンゼルスの大谷翔平選手がア・リーグのMVPに選ばれた。記者による投票は満票、つまりは文句なし、である。連日わくわくさせてくれた「ショータイム」に改めて、お礼を言いたい◆「不可能の反対は可能ではない。挑戦だ」。ロビンソンの言葉と伝えられる。何だって、やってみないと分からないじゃないか。当初はいぶかしむ声もあった大谷サンの二刀流への挑戦を、笑う人はもういない◆きのう、はにかむその人をテレビで見た。常識や慣習にとらわれた身には、MVPの笑みがやたらまぶしい。

(2021年11月20日付朝刊より)

ノミネートされた流行語で目立ったのが新型コロナ関連です。

副反応」「自宅療養」「人流」「変異株」「黙食/マスク会食

新聞紙面で見ない日はなかったのではないでしょうか。
このうち最多掲載は「自宅療養」で、1年で1000本近い記事に使われていました。

新型コロナ関連では、こちらの候補も問題になりました。
路上飲み」です。

新型コロナ 繁華街 路上飲み常態化
帰宅前に1~2時間、「密なく安心」
三宮の広場 人目少なく〝行きつけ〟に
神戸市、禁止は強制できず

 昨年に続き、今春も新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が発令された中、1年前の宣言下と違う光景が、「路上・公園」で飲酒する人たちの姿だ。兵庫で酒類を提供する飲食店に休業要請が出る中、神戸・三宮の繁華街周辺では、購入した酒を手にした人たちが集まる〝行きつけ〟の路上スポットが出現。屋外であっても会話を伴う飲酒は感染のリスクがあり、神戸市は街頭パトロールに乗り出すが、効果的な抑止策を見いだせない。
 「息抜きも必要。ささやかな楽しみを奪わないで」
 大型連休が始まる直前の4月28日夜、JR三ノ宮駅から徒歩5分ほどにある同市勤労会館の前。雨の中、建物で囲まれた広場では屋根のある通路の下で、男女3人が缶チューハイを片手に「路上飲み」をしていた。
 男女は20~40代の接客業で、「常に感染リスクと隣り合わせ」の1年間を過ごした。コロナ禍の前は店で飲酒していたが、この1年は時折、路上で酒を1~2時間飲んでから帰り、気晴らしにしているという。
 この広場は人目につきにくく、日が暮れるとスーツ姿の会社員らがやってきて、マスクをあごの下にずらして飲酒し、会話する。3人のうち、40代の女性は「高齢の親が同居しているので感染はしたくない。ここは店よりも密ではないから安心」と語る。
 神戸市内では酒類を提供する飲食店には感染が拡大した今年1月以降に時短営業が、今回の緊急事態宣言では休業が要請された。ただ、コンビニやスーパーは酒類を販売しているため、近場で酒を買い込んで路上や公園で飲む人たちが後を絶たない。これを受け、コンビニ大手ローソンは兵庫を含む7都府県の店舗でポスターによる啓発を始め、大阪市の大阪城公園にある6店舗では酒類の販売中止に踏み切った。
 神戸市も対策として、道路管理課員らが徒歩や広報車の放送で路上飲みの指導巡回を始めた。だが、「指導といってもあくまで『お願い』。強制力はないので…」と担当者。「少しでも抑える努力はしたい。ただ、この現象にこだわるより、やっぱり肝心なのは病床確保やワクチン接種を進めること」とこぼした。
 一方、理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」を使った飛沫(ひまつ)の解析では風の影響も踏まえて「屋外が低リスクとは限らない」との結果が出ている。また、現在は感染力が強い変異ウイルスが広がり、密閉、密集、密接の「3密」でなくても感染の恐れはつきまとっている。
 社会規範と迷惑行為に詳しい金城学院大(名古屋市)の北折充隆(きたおりみつたか)教授(社会心理学)は「どうしても集まってお酒を飲みたい人たちは一定数がいる。だが、根本的には、飛沫による感染リスクを考えるべきところを、『屋外の換気のよさ』や『ごみのポイ捨て』という別の問題にはき違え、都合よく解釈しているようにもみられる」としている。

(2011年5月5日付朝刊より)

ジェンダー平等」という言葉は紙面でもよく見かけるようになりました。
けれど、まだまだ理解は広がっていないようです。

「連合・芳野氏は美人会長」
全国市長会長に抗議の意見書
尼崎、芦屋、宝塚の女性3市長

 公の場でジェンダー平等への取り組みに無理解な発言をしたとして、尼崎、芦屋、宝塚市の女性3市長が22日、全国市長会の立谷(たちや)秀清会長(福島県相馬市長)に対し、市長会としてジェンダー問題の解決へ積極的に取り組むよう求める意見書を連名で提出した。
 立谷氏は10月下旬、来賓として招かれた連合福島の定期大会で、芳野友子会長について「今度の美人会長も楽しみ」と発言。人口減少について「男性の所得を上げていかないと人口問題は解消しない」とも述べ、性別による役割分業の肯定につながると批判された。
 市長会長としての発言ではなかったが、意見書は「報道で市長会という団体名も取り上げられた」と指摘。各市がジェンダー固定化の是正やジェンダーギャップ解消に取り組む中だけに「遺憾に思う」とした。
 稲村和美尼崎市長が伊藤舞芦屋市長、山崎晴恵宝塚市長に呼び掛けた。尼崎市秘書課は「無意識に出た発言とみられ、かえって問題の根深さを示した。全国市長会がジェンダー施策の議論をリードする存在になってほしい」とした。

(2011年11月23日付朝刊より)

候補の一つ「ヤングケアラー」も重いテーマです。
神戸市は6月、全国で初めて相談窓口を設けました。

介護する若者、1人で悩まないで
ヤングケアラー 神戸市が相談窓口
全国初 初日は4件、早速対応

 家族らの介護や世話を日常的に担っている18歳未満の子ども「ヤングケアラー」や20代の若者を支援するため、神戸市は1日、「こども・若者ケアラー」を対象にした専用の相談窓口を開いた。初日は4件の電話相談があり、早速、担当者が対応に当たった。同市によると、全国でも例がない取り組みという。
 市内では2019年10月、幼稚園教諭だった20代女性が1人で介護していた認知症の祖母=当時(90)=を殺害する事件が発生。公判では介護と仕事の両立に苦悩し、孤立を深めていった経緯が明らかになった。事件後、市はこうした境遇の若者らへの支援体制を検討。今年4月には担当課を設けた。
 相談窓口は市立総合福祉センター(中央区橘通3)に開設。社会福祉士や精神保健福祉士、公認心理師の資格を持つ職員計3人が相談に応じる。ケアラーの周りにいる関係者からも受け付け、必要に応じて具体的な支援先につなげる。
 この日は、「父親のいない中学生が障害のある母親の介護と幼いきょうだいの世話で学校を休んでいる」との相談が関係機関から寄せられ、窓口の職員が区役所への連絡などに当たった。市では国の調査を基に、こども・若者ケアラーは市内に1万2千~1万4千人程度いると推定している。

(2021年6月2日付朝刊より)

相談内容を見ると、厳しい状況が浮かび上がります。

ヤングケアラー7割 18歳未満
神戸市相談窓口
半年で44人支援、9人は小学生
家庭支え、学校・職場に行けず

 神戸市が、家族の世話に日常的に追われる若年層「ヤングケアラー」に対し、6月に専用の相談窓口を設けてから半年間で家庭の支援に入ったのは44人に上ったことが分かった。うち7割に当たる30人が18歳未満で、小学生が9人含まれた。市は相談窓口の周知を進め、支援を必要とする人へのさらなるアプローチが課題とみている。
 市は6月1日、「こども・若者ケアラー相談・支援窓口」を市立総合福祉センター(中央区)に開設。ヤングケアラーについて専任担当者を置く窓口は全国の自治体で初めてだった。11月末までに受けた相談は計117件。このうち匿名や市外からの連絡などを除いた44人に具体的な支援策を検討した。
 市によると、支援した44人のうち、30人は18歳未満で、内訳は、中学生12人▽小学生9人▽高校生8人▽無職1人。ひとり親に病気や障害があって家事や家族のケアを担う生活となり、学校や職場に行けなくなった子どもが目立った。また認知症の祖父母と同居する孫の立場で、通学や通勤ができない子もいるという。
 相談をきっかけに好転した事例もある。
 ある20代の女性は、母親と障害があるきょうだいの3人暮らし。働いて家計を支えていたが、家事やきょうだいの世話をこなす母親が、病気で入院してしまった。母親代わりとなった女性は仕事を休みがちになり、見かねた福祉関係者が市の窓口に連絡した。
 市の相談員は、区役所の福祉担当やきょうだいが通う作業所と連携した。「あなたの負担を減らさないと共倒れになる」と、きょうだいが受ける障害者サービスの日数や時間を増やすよう提案、女性も受け入れた。退院した母親は区役所のサポートを受け、女性は仕事に戻れたという。
 このように相談をするのは家族を世話する当事者ではなく、通学する学校や家族が利用する障害・介護サービス事業所、民生委員など「関係機関・関係者」が36人と、全体の約8割を占めた。当事者本人からの相談は5件だった。
 神戸市は、当事者や家族が支援を拒むという課題も挙げる。同市福祉局政策課の岡本和久担当課長は「『家族でやる』という意識が強く、ケアラー自身が支援されるべきという認識がないことが多い。もっと自分の学業や仕事を考えてもいい、と伝えたい」と話す。

(2021年12月9日付朝刊より)

30の候補の中には発表時の記事以外に一度も掲載されていない4語がありました。

ウマ娘」「カエル愛」「13歳、真夏の大冒険」「スギムライジング」です。

新語としてまだ世間に広く知られていないからでしょうか。それとも新聞が流行に乗り遅れているからでしょうか。

<播州人3号>
1997年入社。1年を振り返る機会にもなる「流行語大賞」の発表ですが、1年たつとすっかり忘れてしまいます。昨年の年間大賞は「3密」、一昨年は「ONE TEAM」、その前は「そだねー」でした。全部覚えてましたか?

#流行語大賞 #ショータイム #ジェンダー平等 #ヤングケアラー #ウマ娘


うれしいです。神戸・長田神社の追儺式です(2018)
神戸新聞公式「うっとこ兵庫」
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