ぐるぐる回る、レトロな「回転喫茶」。神戸、姫路の3施設を紹介します(現在営業中は1施設)。
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ぐるぐる回る、レトロな「回転喫茶」。神戸、姫路の3施設を紹介します(現在営業中は1施設)。

昭和の時代に流行し、全国各地で開業した「回転喫茶」。中心部にキッチンなどがあり、その周囲をドーナツ型の座席フロアがゆっくり回る構造です。360度の風景を座っていながら楽しめるとあって、観光客らの人気を集めました。しかし近年は設備が老朽化し、維持や修理の難しさから、全国的にその数は激減しているようです。

そんな中、兵庫県内には2018年度まで、3つの回転喫茶がありました。山、海、港、ビル群、さらには城まで見渡せる施設も。2021年10月現在も営業しているのは1店だけですが、いずれの施設もその外観は今でも楽しむことができます。今回は記者きんぎょばちが、レトロで魅力的な回転喫茶の世界を、写真と合わせて紹介します。

まずは現役で、今日も元気に回っている神戸市須磨区の回転喫茶から。

須磨浦山上遊園から明石海峡を見下ろします。
須磨浦山上遊園(神戸市須磨区)の回転喫茶「コスモス」

須磨山上遊園の回転喫茶

 須磨浦山上遊園の回転喫茶「コスモス」は、山陽電鉄須磨浦公園駅からロープウエーとカーレーターを乗り継いだ先、鉢伏山頂の回転展望閣3階にある。同園を経営する山陽電気鉄道の百年史などによると、回転展望閣の開業は1958年。当初3階は椅子を置いただけの「展望室」だった。喫茶に転じたのは平成に入ってから。建設中だった明石海峡大橋のビューポイントになることを見越し、91年の改装時にオープン。以来、阪神・淡路大震災も乗り越え、1周45分の回転速度で絶景と食事を提供している。
 花見の時期やゴールデンウイークは約140席が満席になるが、秋冬は閑散期。厨房(ちゅうぼう)が狭く複雑な調理ができない中、何とか盛り上げようとカセットコンロを活用したしゃぶしゃぶやチョコレートフォンデュを考案したことも。2月下旬の週末、親族6人で両方を楽しんでいた明石市の女性(63)は「いい意味で時が止まっていてゆっくりできる。これからも元気で営業を続けてほしい」と話していた。

(2018年12月27日夕刊より)

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1周45分と回転速度はゆっくりめ。座っているだけで、明石海峡大橋や淡路島、神戸空港、大阪湾まで見通せます。この須磨浦山上遊園には、回転喫茶の他にもレトロな見どころがたっぷり。公式ホームページが自ら「乗り心地の悪さが評判」とうたう「カーレーター」や、ペダルをこいで進む「サイクルモノレール」、レコードを選ぶと懐メロが流れる「ジュークボックス」など、魅力的なスポットです。

国内唯一という「須磨浦カーレーター」の紹介はこちら。

続いては、2018年3月に回転を終了した、姫路市の回転喫茶です。

姫路城や播磨灘を見渡せました。
姫路市中心部、手柄山の回転展望台

姫路手柄山の回転展望喫茶【外観】

姫路市中心部の手柄山に立つ「回転展望台」(同市西延末)が老朽化のため、2018年3月25日で閉鎖される。半世紀前に姫路大博覧会のテーマ塔として建てられ、近未来風の外観や、床面が回る喫茶店からの眺望が親しまれてきた。今後もモニュメントとして残るものの、中からの眺めは見納めとなる。「最後にもう一度見たい」。レトロな名所には連日、名残を惜しむ人々が詰め掛けている。
 展望台は、1966(昭和41)年に開かれた博覧会のシンボルタワーとして完成。鉄筋コンクリート造りで、高さ約21メートル。外観は当時の米ロサンゼルス国際空港の管制塔をイメージしてデザインされたという。
 4階の喫茶店は、68席を備えた座席フロアが約14分かけて回転する。食事とともに、世界文化遺産・国宝姫路城や書写山、播磨灘の眺めを楽しめる。
 姫路市は2015年、展望台がある手柄山中央公園を再整備する方針を決定。17年に展望台を閉鎖しモニュメントとして残すことを決めた。閉鎖後は安全のため周りをフェンスで囲う。
 同店は年明けから週末に列ができるようになり、3月に入ってからは平日も客が絶えない。「約60分から約90分待ち」と書いた看板を掲げる日も多いという。店長の女性(49)は「長年支えてくれたお客さんに感謝。最後まできちんと迎えたい」と話す。
 母と小学生の娘、息子の3世代で訪れた女性(47)=姫路市飾磨区=は「約40年ぶりに来た。姫路城が見える景色が懐かしかった。寂しいですね」と話し、展望台を写真に撮っていた。

(2018年3月20日付朝刊より)

姫路回転内観明るい

こちらは1周14分。記者きんぎょばちも8年ほど前に訪れましたが、確かな回転を感じられる速さでした。

「空飛ぶ円盤」を思わせる近未来的な外観も、人々の目を奪います。神戸新聞でもよく取り上げてきました。

手柄きれい外観

老朽化のため回転を止めた手柄山の回転展望台。姫路市は当初、解体撤去する予定でしたが、市民から別れを惜しむ声が多く寄せられたため、モニュメントとして残すことを決めました。中に立ち入ることはできませんが、今も手柄山にたたずむ姿を見ることができます。

最後はミナト神戸のシンボル、ポートタワーにあった回転喫茶です。

六甲山にビル群、神戸港を見渡せました。
神戸ポートタワー3階にあった回転喫茶室

タワー回転喫茶室

タワー夜外観

 神戸ポートタワー(神戸市中央区)が2013年11月21日、開業50周年を迎える。これまでの入場者数は延べ2300万人を超える。昔から変わらぬ「隠れた人気スポット」と言えば、ミナト神戸の景観を360度楽しめる回転喫茶室(高さ83メートル)だ。昭和の香りが残る店内は20分で1回転。毎日、毎日回り続けて半世紀―。
 「時々、お客さんがどこに行ったか分からなくなります」
 タワー展望3階の回転喫茶室に勤める女性は、1日中回り続けるドーナツ形の回転床のせいで、当初は酔い止めが欠かせなかったという。
 ポートタワーは1963年11月21日、オープンした。当時の原口忠次郎・神戸市長が、オランダ・ロッテルダム港のタワーをヒントに「世界に誇れる展望塔を神戸港にも」と発案した。オープン当初は元町商店街まで行列が続くほどだった。
 混み合う館内で、来館者がつかの間一服できたのが、回転喫茶室。当時は、テーブル席で定員80人。床の回転速度もやや速めだった。ハイカラ好きな神戸っ子の人気を集め、80年ごろには「喫茶室が1回転するうちに告白すると、そのカップルは幸せになれる」という話が広まり、一躍若者らのデートスポットに。
 時代を重ね、テーブルが44席のカウンター型に変更され、2010年の改装では、展望2階の調理室も撤去された。店を知らない来館者も増えたが、店内の「思い出ノート」には、毎年結婚記念日に訪れる夫婦など昔からのファンや、「回るのに感動した」という子ども、外国人旅行者らの書き込みが絶えない。

(2013年11月19日付朝刊より)

海も山もビルも見える、なんとも神戸らしい回転喫茶室。そんな魅惑のスポットですが、2018年12月に閉店します。

ミナト神戸を象徴する「神戸ポートタワー」(神戸市中央区波止場町)で、観光客に人気だった回転喫茶「スカイラウンジ」(展望3階)やレストラン(地上2階)など三つのテナントが、2018年12月15日を最後に営業を終了したことが分かった。タワーを運営・管理する同市の外郭団体「神戸港振興協会」が公式ホームページ(HP)で明らかにした。
 タワー自体は営業しており、展望4、5階などには入場できる。同市みなと総局によると、3テナントはタワー北側にある市所有のビル1階で食堂を運営する加古川市の業者が手掛けており、一帯の再整備に向けて市と同協会が業者と進めていた移転交渉がまとまったという。
 「スカイラウンジ」は飲食を楽しみながら20分間で360度回転し、神戸の街並みを一望できる同タワーの目玉施設。16日午前に妻と一緒にタワーを訪れた岡山市の男性会社員(58)は「回転喫茶は息子が小さい頃に来た思い出がある。久しぶりで楽しみにしていたのに」と残念がっていた。

タワー喫茶閉店

(2018年12月17日朝刊より)

そして神戸市は2020年12月、神戸港の中突堤を含めた「ウオーターフロント」再整備の一環として、ポートタワーのリニューアル計画を発表。低層部の4階に神戸港を望むテラス、これまで上がれなかった屋上には360度の景色が見渡せる展望歩廊を、それぞれ新設するとしています。

それに向けて2021年9月27日から、ポートタワー全体はリニューアル工事のための長期休業に入りました。再オープンは2023年の予定。果たして、新しくなったポートタワー内に、回転喫茶室は復活するのでしょうか?

ポートタワーの最終営業日やリニューアル工事の記事はこちら。

<記者きんぎょばち>入社14年目。海が見える淡路島のカフェも好きですが、畑を見渡す丹波のカフェも大好きです。絶景のお供は、コーヒーとケーキもいいですが、ビールもいいです。

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うれしいです。姫路・網干の秋祭りの様子です(2019)
兵庫県の地方紙「神戸新聞」です。過去記事の中から、記者らがテーマごとに独自の視点で選び、背景や取材の裏話などとともに紹介します。ゆかりの有名人の逸話や、ほっこりする地域の話題など兵庫の魅力を、毎週水曜正午と土曜午後6時に投稿します。「おもろい」と思われた方、ぜひフォローください