播州人3号です。今年もよろしくお願いします。2年越しの帰省がかない、ふるさとでご覧になっている方も多いのではありませんか。広い兵庫にはその地ならではの正月料理があります。今回は元日の投稿らしく、おめでたい味を紹介しましょう。
神戸新聞には神戸や淡路、但馬、姫路など12の地域版があります。
細かく地域を分け、手厚く取材しているが故に、地域版はnote投稿向けのネタの宝庫です。
電子版「神戸新聞NEXT」でも各地域版がご覧になれます。
まずは餅の形から味付けまで各地で異なる雑煮です。
関西と関東を比べる際によく取り上げられますが、兵庫県北部の但馬地域に限ってもバリエーションは豊富です。
「但馬のギモン」と題して2019年元日の但馬版に掲載されていました。
赤みそ?ぜんざい?おわんの中は?
お雑煮 豊かな食文化 境界線 分からぬまま
▼西の県境
▼香美町
▼南但など
その地域では「当たり前」ですが、ほかと比べると違いが際立ちます。
兵庫県西部の宍粟市の一部では雑煮の具にハマグリが使われます。
いい出汁が出てそうですが、不思議なのは宍粟市は「森林王国」とも呼ばれ、海から遠く離れた場所にあることです。
ハマグリ雑煮
宍粟市千種町
山間部に根付く海の幸
長い距離を運んでくることを考えれば、ハマグリは今以上に貴重な食材だったはずです。
特別な雑煮を味わいながら、新年を祝う家族の笑顔が目に浮かびます。
雑煮だけではありません。
地域版には、その土地の特産を使った正月料理が数多く紹介されています。
香ばしい風味をもちで固め
農家の新年飾る一品
同じ丹波地域では「にだい」と呼ばれる料理もあります。
丹波「にだい」
小豆と根菜 素朴な香り
海のそばには海産物を使った料理があります。
淡路「こけらずし」
白身魚のそぼろ甘辛く
同じ海のそばでも淡路島と、姫路の家島ではまた違った料理があります。
姫路・家島「ふくらいり」
ナマコをメバル煮汁と
いずれの料理も名前を聞いただけではどんな料理か想像もできません。それほど限られた地域の調理法なのでしょう。
正月、ふるさとの食卓を飾った祝いの料理。注意して見れば、もしかしたら地元の伝統の味なのかもしれません。
<播州人3号>
1997年入社。姫路勤務時代、地域に伝わる食や風習を地域版で取り上げたことがあります。取材チーム内で決めたのは「紙面に未掲載のもの」。取材先探しに苦労するかと思いましたが、「初出」の伝統行事が次々に見つかりました。今回紹介したハマグリの雑煮もその一つです。そんな播州の奥深さは別の機会に紹介したいと思います。
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