最近使いました? 街中の公衆電話
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最近使いました? 街中の公衆電話

最後に使ったのはいつでしょうか。公衆電話です。古手の記者はかなりお世話になったはずです。スマートフォンの普及などで大幅に数を減らしていますが、災害時などには今でも頼れる存在です。播州人3号が、これまでに取り上げられた記事を紹介します。


緑が有名ですが、複数種あります。100円玉が使えるなど、色によって機能も異なります。写真は2014年2月に紙面で紹介された高砂市内の喫茶店に並ぶ電話です。

いろいろ公衆電話

登場したのは1900(明治33)年。東京の上野駅と新橋駅に初の公衆電話が設置されたと過去記事にありました。

カードの使えるのが緑の公衆電話です。
カードと言っても「クレジット―」ではなく「テレカ」、テレホンカードです。1982年に登場しました。

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引き出しを探すと、奥から使いかけのテレカが見つかりました。
電話を使用後、カードに開いた穴の位置で、何回使ったかが分かる仕組みでした。

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上の写真は1995年の阪神・淡路大震災直後の駅前です。
長い列は公衆電話の順番を待つ人たちです。

当時、携帯電話がほとんど普及しておらず、自宅が壊れるなどした被災者には、公衆電話が連絡を取る数少ない手段だったためです。

その経験と教訓が今も神戸で引き継がれていました。
震災25年に合わせた連載の1回です。

<ときを見つめて 震災25年>(4)
公衆電話
つながる 街角の命綱 

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 喫茶店前の公衆電話。都市部であまり見かけなくなった風景が、神戸市須磨区の喫茶店「リバティルーム カーナ」に残っている。
 「今の子どもたちは、かけ方も知らないのよ」。店主の岡本美治(みはる)さん(77)が笑う。阪神・淡路大震災の約2カ月後、全焼した店舗跡に仮設店を建てた際に設置してもらった。
 その直後、住民らが長蛇の列をつくり、受話器を握って親族らに連絡する姿が「今も忘れられない」。
 しかし、当時ほぼ25人に1人だった携帯電話の普及率は今や1人1台を超えた。一方で、兵庫県内の公衆電話の数は震災前の約5分の1にまで減っている。
 岡本さんは思う。「災害時に優先的につながる公衆電話がもっと街角にあれば…」。小学校を訪ねて操作法を教え、商店主に設置を勧めるなど普及に尽力する。
 店から電話をかけるときも必ず外へ。「私が率先しないと」。緑色が少しくすんだ公衆電話を見つめ受話器を取った。

  (2020年1月10日夕刊より)

2011年の東日本大震災でも駅前の公衆電話に長い列ができていました。
地震や台風などの災害時に通信制限や停電の影響を受けにくいのが理由の一つです。

災害時には欠かせない公衆電話ですが、スマホに追いやられています。
情報通信白書を見ると、スマホの世帯保有率は8割超。これでは公衆電話の出番も減るはずです。

とうとう公衆電話を4分の1程度にまで削減するという案が取りまとめられました。

毎日のように使った世代には寂しい限りです。
1面コラム「正平調(せいへいちょう)」でも取り上げられていました。

 この仕事に就いたとき、10円玉をできるだけたくさん持ち歩けと教わった。何かと公衆電話の世話になるからだ。だから「取材先ではまず、どこに電話があるか確かめるように」と◆ポケットがジャラジャラと鳴ったのも遠い昔話である。テレホンカードが登場して解放され、携帯電話が普及したから電話を探すこともなくなった。思い出、あれこれ。その公衆電話がさらに減ってしまうという◆現在の4分の1程度にする案を総務省の有識者会議がまとめた。「赤字続きだから」が理由である。新幹線車内の公衆電話も6月には消えていくそうだ。携帯電話は見慣れた街の光景をあっという間に変える◆でも、いざというときの命綱である。誘拐された少女が容疑者のすきを見て逃げ出し、駅の公衆電話から「助けてほしい」と110番して保護されたこともある。使い方のイロハは、子どもにはきちんと教えたい◆公衆電話は災害時にもつながりやすい。阪神・淡路大震災のときは長い列ができた。持ち合わせが乏しく、「貸して」と呼びかけたら列のあちこちから10円玉、という話も聞いた。お互いさま精神も伝えたい◆うれしい話もつらい出来事も、10円玉を入れて幕が開く。消えゆく昭和がまた一つと、ちょっと感傷的になる。

  (2021年5月13日朝刊より)

使う機会が減れば、使い方も忘れてしまいます。
もしかしたら一度も使ったことのない人がいるかもしれません。

公衆電話の使い方教室が開かれたという記事も複数見つかりました。

公衆電話どう使うの? 花園小の24人参加し教室 災害などに備え明石市消防が啓発 

 普段、公衆電話を使う機会がないスマホ世代の子どもたち。いざという時に備え、明石市消防局は12日、花園児童クラブで「こども公衆電話教室」を初めて開いた。花園小の児童24人が受話器の取り方や災害時の伝言サービスの使い方を学んだ。
 スマホの普及で見かけることが少なくなった公衆電話。一方で、回線が混み合う場合にも優先的に使用できるメリットがあり、災害時には重要な通信手段となる。
 自分の子どもが公衆電話の使い方を知らないことに同局の職員が気付き、子ども向けの啓発を提案。11月9日の「119番の日」にちなんで実施した。日本公衆電話会兵庫支部が協力し、映像や実演を通して指導した。
 「公衆電話を使ったことがない人は?」という質問に、ほぼ全員が勢いよく挙手。実演が始まると興味津々の様子で群がり、ぎこちない手つきでボタンを押した。
 受話器の外し方が分からなかったり、自宅の電話番号を覚えていなかったりする子も。「下から持ち上げるようにして取るんだよ」「番号はおうちで聞いてメモしておいてね」と教わった。
 初めて公衆電話を使った児童(9)は、一通り練習した後「頑張ったから、これからは1人でも使える」とはにかんだ。
 同教室では「災害用伝言ダイヤル(171番)」の使い方も学んだ。別の児童(10)は「災害の時に役立ちそう。知ることができてよかった」と話した。

 (2018年11月13日付朝刊より)

受話器を持ち上げ、カードか、硬貨を入れてから相手の番号を押します。
慌てて押したり、反対に中途半端な触れ方になったりすれば反応しませんでした。

記事にもありますが、使い方が理解できても、連絡先が分からなければかけられません。
災害時などに備え、必要な連絡先を手元に用意しておくのも必要ですね。

そういえば、中学や高校時代の友人宅の電話番号を今も覚えてる方っていませんか。語呂合わせなどで必死に記憶しました。
そうしないと、外出先から連絡がとれなくなり、友人の親の名前や住所などから電話帳を繰るか、番号の分かる別の友人に電話して教えてもらうという、かなり面倒くさい方法しかありませんでした。

台数では減少傾向の続く公衆電話ですが、新しい機能を持つタイプも登場しています。

いつでも手話で通話
市民広場に専用電話
国内3カ所目 聴覚障害者ら活用 

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 聴覚障害者が手話を使って通話ができる公衆電話ボックス「手話フォン」が明石市大明石町1のあかし市民広場(パピオスあかし2階)に設置され、5日、記念式典が開かれた。国内では羽田空港(東京)、筑波技術大学(茨城)に続き3カ所目で、自治体が設置するのは全国で初めて。市内の聴覚障害者が早速、試していた。
 手話フォンは、聴覚障害者がボックス内のモニターから相手先の電話番号を掛けると、テレビ電話を通じてオペレーターが手話で同時通訳し、その音声を相手方に伝える。相手方からの話はオペレーターが、手話で通話者に伝える。
 これまで聴覚障害者はファクスや電子メールで用件を伝えたり、手話通訳者を呼んで通話を代行してもらったりするなど、意思伝達に手間が掛かっていた。手話フォンでは、手話通訳者への依頼など事前の準備がなくても電話することが可能。設置を進めている日本財団の石井靖乃(やすのぶ)公益事業部長は「急用でもすぐ相手先に連絡できる。家族らの手助けがなくても通話できる。精神的負担がなくなり、障害者に自立の感情も出てくる」という。設置費用約200万円と月々の通信費などは同財団が負担する。
 式典で泉房穂市長は「社会が変われば聴覚障害者の暮らしも変わる。どんどん使ってほしい」などとあいさつ。また、明石ろうあ協会の家根谷靖彦会長は「B―1グランプリ西日本大会では、人のつながりの大切さを実感した。手話フォンの設置が共生社会の実現につながれば」と話した。
 手話フォンを利用した男性(73)は「テレビの修理を頼むのに使ってみた。あっという間に、楽に会話できた」と喜んでいた。
 午前8時から午後9時まで、無料で利用できる。

  (2018年2月6日付朝刊より)

街角の公衆電話―。少し遠い存在になっていませんでしたか。
どこにあるのかの確認も兼ね、テレカを手に街に出てみては。

<播州人3号>
1997年入社。10円玉じゃらじゃらの駆け出し時代を経験しました。火事の現場などで、公衆電話が見つからない場合、近くの民家にお邪魔して固定電話を借りました。けが人の有無などを手短にデスクに報告後、電話のそばに10円玉を置き、名刺を渡してお礼を言います。そのまま世間話が始まり、それがきっかけで次の取材につながったりすることもありました。のんびりした時代でした。

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兵庫県の地方紙「神戸新聞」です。過去記事の中から、記者らがテーマごとに独自の視点で選び、背景や取材の裏話などとともに紹介します。ゆかりの有名人の逸話や、ほっこりする地域の話題など兵庫の魅力を、毎週水曜正午と土曜午後6時に投稿します。「おもろい」と思われた方、ぜひフォローください